風俗営業許可の名義変更はできる?キャバクラ・ホストクラブの譲渡・売却・法人化の4つの方法

キャバクラ・ラウンジ・ホストクラブ・スナックなど接待を伴う飲食店(社交飲食店)を売却したい、買い取りたい、個人事業から会社にしたい。そのときに必ず出てくるのが「風俗営業許可の名義変更はできるのか」という問題です。結論から言うと、風俗営業許可そのものを他人に譲る「名義変更」の手続きは存在しません。ただし、やり方は4通りあり、お店の状況によって最適な方法が変わります。このページでは、名古屋で風俗営業許可の申請を代行している行政書士が、それぞれの方法と流れ、営業できない期間、費用、注意点をまとめました。
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まず結論:風俗営業許可は譲渡できない。方法は4つ
風俗営業許可は「その人(その法人)」に対して与えられるもので、お店や設備に付いているものではありません。そのため、営業者が変わるときは、原則として新しい営業者が許可を取り直すことになります。例外として、相続・合併・分割の場合だけ、公安委員会の承認を受けて許可を引き継ぐ制度があります。
| ケース | 方法 | 営業できない期間 | 警察への手続き |
|---|---|---|---|
| 個人から別の個人へ | 許可の取り直し(返納+新規申請) | あり(新規許可が下りるまで) | 新規許可申請(手数料24,000円) |
| 個人事業から法人へ(法人成り) | 許可の取り直し | あり | 新規許可申請(手数料24,000円) |
| 法人から法人・個人へ(お店だけ譲る) | 許可の取り直し | あり | 新規許可申請(手数料24,000円) |
| 法人ごと譲る(株式譲渡) | 許可はそのまま。役員変更届 | なし | 変更届 |
| 個人の営業者が亡くなった | 相続の承認 | なし(承認まで営業可) | 死亡後60日以内に承認申請 |
| 法人の合併・分割 | 合併・分割の承認(事前) | なし | 合併・分割の前に承認申請 |
方法1:許可を取り直す(最も多いケース)
個人で許可を取っているお店を他の人に渡す場合、個人事業を法人化する場合、法人が営業しているお店だけを別の会社や個人に渡す場合は、すべて新しい営業者が風俗営業許可を新規で取得します。店舗も設備も同じでも、申請書類の作成と警察の実地検査はやり直しです。
流れと「営業できない期間」
- 新しい営業者の要件確認(欠格事由・管理者の選任)と、物件の立地・構造の再確認
- 飲食店営業許可を新しい営業者の名義で取得(保健センター)
- 図面と申請書類を作成し、現在の許可の返納と、新しい営業者の新規申請を管轄警察署で行う
- 実地検査を経て新しい許可証が交付されたら営業再開
同じ店舗で2つの風俗営業許可が重なることはできないため、旧営業者の許可を返納してから新しい許可が下りるまでの間は、接待を伴う営業ができません。標準処理期間は55日ですので、2か月前後の休業を見込む必要があります。返納のタイミングは、警察署と相談しながら、休業期間が最短になるように調整します。
休業中、飲食店営業許可だけで「接待をしないバー」として営業を続ける方法もありますが、キャストが客席に着けばその時点で無許可営業です。営業形態を切り替える場合は、スタッフへの周知まで含めて計画してください。
居抜きでも「取れる」とは限らない
前の営業者が許可を持っていたお店でも、その後に近隣へ診療所や保育所ができていれば距離制限に引っかかり、改装で客室の仕切りや照明が変わっていれば構造基準を満たさないことがあります。譲渡の契約前に、現在の基準で許可が取れる物件かを確認しておくと安心です。詳しい要件は 名古屋の風俗営業許可申請(要件・流れ・費用・期間) をご覧ください。
方法2:法人ごと譲渡する(株式譲渡・M&A)
風俗営業許可を法人(株式会社・合同会社など)で取っている場合は、その法人の株式(持分)を買い手に譲る方法があります。許可は法人に付いていますので、株主と役員が入れ替わっても許可はそのまま有効で、営業を止める必要がありません。店舗の賃貸借契約や従業員の雇用契約も、原則としてそのまま引き継げます。
警察への手続きは、役員や管理者が変わったときの変更届です。役員の変更は変更の日から10日以内(添付書類が必要な場合は20日以内)に届け出ます。新しい役員が欠格事由に当たる場合は許可の取消し事由になりますので、譲渡の前に役員予定者の確認が必要です。
リスクは「法人の中身」をまるごと引き継ぐこと
買い手は、その法人の借入金・未払いの税金や社会保険料・取引先への債務・過去の行政処分歴まで引き継ぎます。風営法の処分歴があれば、譲渡後にその法人が営業停止や取消しを受けることもあります。法人ごと買う場合は、決算書・納税証明・処分歴の確認と、表明保証を盛り込んだ株式譲渡契約書が欠かせません。当法人では、契約書の作成と、提携の税理士・司法書士との連携でお手伝いしています。
方法3:相続の承認(個人の営業者が亡くなった場合)
個人で許可を受けていた営業者が亡くなった場合、相続人は死亡後60日以内に公安委員会(管轄警察署)に相続の承認を申請すれば、許可を引き継いで営業を続けることができます。承認が出るまでの間も、相続人は営業を続けられます。相続人が複数いる場合は、全員の同意で1人を選びます。愛知県の標準処理期間は30日です。
60日を過ぎると承認を受けられず、新規で許可を取り直すことになります。ご葬儀などで慌ただしい時期ですが、期限だけは早めにご確認ください。
方法4:合併・分割の承認(法人の組織再編)
法人が合併して消滅する場合や、会社分割で営業を別の法人に移す場合は、合併・分割の前に公安委員会の承認を受けることで、許可を存続会社や承継会社に引き継げます。例えば、A社が3店舗の許可を持っていて、そのうち1店舗をB社に移したいときは、新設分割(A社から新しいB社を作る)でも吸収分割(既存のB社に移す)でも使えます。愛知県の標準処理期間は35日ですが、会社分割の登記や債権者保護手続きに時間がかかるため、全体では数か月を見込んでください。
注意点は、承認を受けて許可を引き継いだ法人は、しばらくの間、分割前の法人と一体のものとして扱われることです。分割後にA社が大きな行政処分を受けると、B社も同じ処分の対象になることがあります。
飲食店営業許可(保健所)も忘れずに
社交飲食店は、風俗営業許可とは別に保健所の飲食店営業許可が必要で、こちらも営業者ごとの許可です。許可を取り直す場合は、新しい営業者の名義で飲食店営業許可を先に取得します。相続・合併・分割の場合は、名古屋市では地位承継の届出で引き継げます。法人ごと譲渡する場合は、飲食店営業許可もそのまま有効で、食品衛生責任者が変わるときだけ変更届を出します。詳しくは 名古屋市の飲食店営業許可 をご覧ください。
お店を譲る前・買う前のチェックリスト
- 現在の許可は個人名義か、法人名義か(方法1か方法2かが決まる)
- 新しい営業者・役員・管理者に欠格事由がないか
- 物件が現在の立地要件・構造要件を満たしているか(近隣の保護対象施設、改装の有無)
- 店舗の賃貸借契約を引き継げるか。大家・管理会社・保証会社の承諾
- 内装や設備のリース契約、カラオケなどの契約の名義
- 法人ごと譲る場合は、借入金・税金・社会保険料・行政処分歴
- 従業員(キャスト・スタッフ)の雇用契約と、従業者名簿の引き継ぎ
- 休業期間が必要な場合、その間の家賃と人件費をどちらが負担するか
費用の目安
| 手続き | 法定費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 風俗営業許可の新規申請(取り直し) | 24,000円 | 愛知県。飲食店営業許可の手数料(名古屋市 16,000円)は別途 |
| 相続の承認申請 | 9,000円 | 死亡後60日以内 |
| 合併・分割の承認申請 | 12,000円 | 合併・分割の前に申請 |
| 役員・管理者の変更届 | 無料 | 10日以内(添付書類が必要な場合は20日以内) |
| 当法人の報酬 | お見積り | 取り直しは新規申請と同じ。法人譲渡は契約書作成の範囲により変わります |
麻雀店・性風俗・深夜酒類提供飲食店の場合
雀荘・麻雀店(4号営業)やゲームセンター(5号営業)も風俗営業許可ですので、このページの考え方がそのまま当てはまります。麻雀卓や遊技機の売却も含めて計画してください。店舗型・無店舗型の性風俗特殊営業は許可ではなく届出ですが、営業者が変わるときに新しい営業者が届出をやり直す点は同じです。深夜酒類提供飲食店(バー・ガールズバーなど)も届出制で、新しい営業者が改めて届出をします。
よくあるご質問
関連する手続き
- 名古屋の風俗営業許可申請|要件・流れ・費用・期間
- 名古屋市の飲食店営業許可
- 法人設立(法人名義で許可を取り直す場合)
- 契約書作成(株式譲渡契約書・事業譲渡契約書)
お店の譲渡・売却・法人化のご相談は、かなで行政書士法人へ
名古屋市中区丸の内のかなで行政書士法人は、錦・栄のお店の風俗営業許可を多数お手伝いしてきました。どの方法が最も休業期間と費用を抑えられるかの設計から、許可の取り直し、変更届、承認申請、譲渡契約書の作成まで一括してお引き受けします。夜間のご相談にも対応しています。
初回相談無料|TEL 052-212-8770(平日9:00~18:00)
メール・LINEでのご相談にも対応しています。現在の許可証の写しをお送りいただければ、取れる方法と期間の見込みをお伝えします。
