【社交飲食店】年末年始営業に向けての7つの法令チェック項目
令和2年も残すところ2ヶ月あまり。
夜の街(キャバクラ・ラウンジ・ホストクラブ・スナック等)には全くもって苦難の年でした。
一時期では、「夜の街」というキーワードで世論の批判対象となりました。
例年より繁盛しているというお店も、もしかしたらあるかもしれませんが、業界全体としては深刻なダメージを受けたことに間違いありません。
自分も行政書士として長年、風俗営業許可の仕事を手掛けていますが、今年は新規開業の案件がすくなかったです。
優秀な経営者さんでも、複数店舗のうち何店舗かの閉店を余儀なくされるなど、厳しい状態でした。
この状況がいつまで続くかわからないですが、ここ数週間の街の様子などを見ていると、Gotoキャンペーンの影響もあってか、一時期よりは少しずつ人通りも戻ってきたのではないかと思います。
風営法 7つの法令チェック項目
夜の世界の方々も生活していかなければならないですし、これだけの苦難の年になんとか年末年始まで耐え抜いたお店には、年末年始の繁忙期を無事に営業していただきたいと思い、いくつか気がついたことを書き出してみようと思います。
①やはり感染症対策
マスクも消毒ももううんざりといった方もいるかもしれませんが、クラスター感染等が発生してしまうと、営業をストップしなければならなくなる場合も考えられます。
新型コロナウィルスが流行してからはじめての冬ですので、慎重に営業していきましょう。
また、お客さんやスタッフに感染させないためにも、お店として感染症対策は徹底していくことが必要です。
②備品・照明・音響等の変更はないですか?
感染対策やソーシャルディスタンス確保、空気循環のためなどに、設備や備品などの増減や移動はありませんか?
テーブルやイスを減らした、空気清浄機・アクリル板・ビニールカーテン等を追加したなどのケースがあるかと思います。
これらの変更について、届出を提出していないと指導を受けてしまう可能性がありますので、未届の分は速やかに提出しておいたほうが間違いありません。
許可申請(または変更届)で警察に提出している図面どおり。
軽微な変更であれば規定日数の間に変更届を提出すれば良いですが、よくわからない場合は事前に相談しましょう。
ただし、変更の内容によっては風俗営業法の構造要件に合致しない(つまり違反)場合もありますので、判断に悩むケースでは申請を担当した行政書士に相談してみることをおすすめします。
食品衛生に関して
手洗いを外していませんか?
厨房内の手洗い(いわゆる「L5手洗い」)を取り外していませんか?
食品衛生許可の要件であることもまちがいないですが、なによりも衛生的に営業をしていくために、手洗いを徹底しましょう。
③従業員名簿に不備はありませんか?
接客従業者等、従業員名簿の作成漏れがないか、再度確認してください。
外国人を雇用している場合は、在留期間が切れていないか、なども要注意です。
退店者の名簿に関しても、一定期間の保存義務がありますので、注意してください。
今年は、店舗の統合や合併のご相談もいくつかありました。
店舗を移動した接客従業者の名簿をきちんと整理しておきましょう。
④管理者の変更はありませんか?
警察に届出ている管理者には変更ありませんか?
先ほどと同様に、店舗の閉鎖や合併などで、管理者になっていた人がいなくなってしまっているケースなどでは、見落としやすいと思われるため、とくに注意が必要です。
営業者が同じ系列店であっても、管理者お店ごとに別の人を設定していると思います。思い違いがないか確認してください。
管理者が退職してしまった。交代したつもりが届出を忘れていたなど、様々なケースが考えられます。
手続き漏れがあるようでしたら、すぐに管轄の警察に届け出ましょう。
食品衛生に関して
衛生管理者は変更していませんか?
風営許可の管理者と同様、変更していて見届けのようでしたら、すぐに届出ましょう。
⑤照度調整スイッチの固定を外していませんか?
風俗営業許可の検査を受けたときに、照度調整のスイッチを固定したお店は、そのあと、基本的に固定をはずしてはいけないはずです。
固定位置を変更する場合は、照度計を使用して明るさを確保するか、申請を担当した行政書士に相談してみてください。
⑥法定書類の整備
都道府県などの規定により、様々な法定書類が定められていることがあるようです。
愛知県でいいますと、0時を超えて営業する場合の「苦情処理簿」などがこれにあたります。普段から深夜1時まで営業されている店舗は、置いてあるお店がほとんどでしょうが、年末年始のみ延長営業をされる店舗は忘れやすいので注意が必要です。
⑦料金表の見直し
近年、料金トラブルが増えているようで、警察に風俗営業許可を申請する場合に、料金表の細かい部分までアドバイスを受ける事例が多くなりました。
お店側としても無用のトラブルを避けるため、料金表をできるだけわかりやすく明確にしましょう。
年末年始の健全営業
以上、法令チェック項目を書き出してみました。
年末年始に向けて、再度チェックをしていただけたらと思います。
新型コロナウィルスの影響はまだ収まる様子もなさそうですが、感染症対策と法令確認を徹底して健全な営業を心がけましょう。