「愛知県は実務経験の証明資料がいらないらしい」——同業者やネットで聞いて、確かめに来た方も多いと思います。
答えは、半分本当です。正確に言うと、実務経験証明書という書類は必要ですが、その裏付け資料の添付が原則不要、というのが愛知県の運用です。そして、この話には2つの大事な注意点があります。この記事で整理します。
この記事のポイント
- 実務経験証明書は必要だが裏付け資料の添付が原則不要なのが愛知県の運用
- 大臣許可や他県では裏付け資料を求められることが多い
- 裏付け不要でも経験内容と業種のマッチングは問われる
- 実務経験は1業種10年で、同一期間を複数業種に重複計算できない
- 経管の経験証明は別物で、愛知県でも今もシビア
「原則不要」の正確な意味
営業所技術者(旧・専任技術者)を実務経験で申請する場合の話です。
- 実務経験証明書は必要:経験の期間や内容を記載した証明書は提出します
- 裏付け資料の添付が原則不要:経験を裏付ける契約書や注文書などの添付を、愛知県は原則求めません
一方、大臣許可や他県では、裏付け資料を求められることが多いです。同じ経歴でも、どこに申請するかで証明のハードルが変わる——ここが実務の面白く、怖いところです。
注意点①:「書けば通る」ではない
裏付け資料が不要だからといって、審査が甘いわけではありません。実務では、次のような点が問われます。
- 経験の内容が業種とマッチしているか:どんな工事の経験なのかが最重要です
- 経験を積んだ会社の建設業許可の取得状況
- 複数業種で申請する場合の経験期間の割合の計算:実務経験は1業種10年で、同一期間を複数業種に重複計算できません(2業種なら最低20年の業歴が必要な計算です)
また、資格取得後に実務経験期間を短縮できるケースもあるため、目先の申請だけでなく、長期的な技術者の配置を見据えた設計が大切です。
注意点②:経管の経験証明は「別物」でシビア
もうひとつ、混同しやすいのがここです。経管(経営業務の管理責任者)の経験証明は、実務経験証明とはまったく扱いが違います。
経管の証明は愛知県でも今もシビアで、特に許可のない業者での経営経験を使う場合は、工事の契約書、注文書+請書、請求書+入金記録といった資料が必要です。「愛知は資料がいらないと聞いたのに」というすれ違いは、たいていこの混同から生まれます。
→ 経管の経験を証明できないときの対処法【証明資料の集め方】
当法人からのアドバイス
愛知県の運用は、書類の負担という意味では確かに進めやすいものです。ただしそれは「正確な経験を、正確に書く」ことが大前提です。経験の中身と業種の対応づけこそ専門的な判断が要る部分なので、実務経験での申請を考えている方は、経歴の整理からご一緒するのが確実です。
裏付け資料が不要でも「書けば通る」ではありませんよ。正確な経験を正確に書くことが大前提です。経歴の整理から始めましょうね。
→ 愛知県の建設業許可 申請実務ガイド【名古屋の行政書士が解説】
よくあるご質問
この記事に関するご相談は、かなで行政書士法人へ
名古屋市中区のかなで行政書士法人は、建設業許可を専門とする行政書士法人です。代表は建設業界出身。愛知県の申請実務を熟知したチームが、御社の状況に合わせて最短ルートをご提案します。
初回相談無料|TEL 052-212-8770(平日9:00~18:00)
執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

