個人事業で取った建設業許可は、法人成りしたらどうなるのか。
結論からお伝えします。事業承継認可という制度を使えば、許可の空白期間なしで法人に引き継げます。 ただし事前認可制のため、法人成りを済ませてからの相談では間に合いません。この記事では、実務の注意点と、意外と知られていない豆知識を解説します。
この記事のポイント
- 事業承継認可なら空白期間なしで個人の許可を法人へ引き継げる
- 新規申請でかかる法定手数料9万円が不要
- 事前認可制のため法人成りを実行する前の相談・準備が必要
- 書類は新規申請と同程度以上。愛知県は譲渡日の2ヶ月前に書類完成が目安
- 譲渡日=許可日となり、実質的に許可日を指定できる
事業承継認可とは:空白期間ゼロで引き継げる制度
以前は、個人の許可を法人に引き継ぐ方法がなく、法人成りしたら許可の取り直しでした。そのため、制度上どうしても無許可の期間が発生していました。
令和2年10月の改正で創設された事業承継認可により、いまは次のようになっています。
- 許可の空白期間なしで、個人から法人へ許可を引き継げる
- 新規申請でかかる法定手数料9万円が不要
なお、この制度は個人→法人の法人成りだけでなく、M&A・事業譲渡でも使えます。
最重要の注意点:「事前」認可制であること
事業承継認可は、譲渡が行われる前に認可を受ける仕組みです。つまり、事業譲渡(法人成り)を実行する前に、相談と準備を始める必要があります。法人成りを済ませてから「許可も移しておいて」はできません。
もうひとつ、「認可だから新規より簡単」ではない点にもご注意ください。新規申請と同程度以上の書類を準備する必要があり、それなりの負担があります。愛知県では、効力発生日(譲渡日)の2ヶ月前には申請書類が揃っているようにという目安で事前相談が案内されており、法人成りのスケジュールが見え始めた段階で、逆算して準備を始めるのが安全です。
豆知識:許可日を実質的に指定できる
あまり知られていませんが、事業承継認可には面白い特徴があります。
通常の新規申請では、許可日は行政側の手続きが終わったタイミングで自動的に決まり、事業者側では選べません。ところが事業承継認可では、事業主側が定めた譲渡日=許可日になります。つまり、実質的に許可日を指定できるのです。
「期首に合わせて法人としてスタートしたい」「工事のスケジュールに合わせたい」といった調整がしやすいのは、通常の新規申請にはないメリットです。
当法人からのアドバイス
法人成りは、定款・登記・税務・社会保険と、許可以外にもやることが多い一大イベントです。許可の引き継ぎは事前認可制という時間の制約があるため、「法人成りしようかな」と思い始めた段階でご相談いただくのがベストタイミングです。
事業承継認可は事前認可制なので、法人成りを済ませてからでは間に合いません。「法人成りしようかな」と思い始めた段階でのご相談がベストですよ!
→ 個人事業主のまま建設業許可を取るか、法人成りしてから取るか → 状況別・建設業許可の取り方【あなたのケースはどれ?】
よくあるご質問
この記事に関するご相談は、かなで行政書士法人へ
名古屋市中区のかなで行政書士法人は、建設業許可を専門とする行政書士法人です。代表は建設業界出身。愛知県の申請実務を熟知したチームが、御社の状況に合わせて最短ルートをご提案します。
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

