「取締役ではなかったけれど、実質的に会社を切り盛りしていた。この経験で経管になれないか」——そんなときに出てくるのが「準ずる地位」という言葉です。
最初に正直に申し上げます。これは、とても難易度が高い証明方法です。現実的に通るケースはかなり限られています。 ただし、可能性はゼロではありません。この記事では、期待値を正しく持っていただくために、実務の現実を率直に解説します。
この記事のポイント
- 準ずる地位は取締役未就任でも経営経験を認めてもらう例外的な方法
- 自己申告では認められず、組織図や決裁の証拠書類の提出が必要
- 難易度は高いが受け付けられたケースはゼロではなく当法人でも実績あり
- 申請前の見極めが重要。別の経歴や証明方法で道が開けることもある
準ずる地位とは
経管(経営業務の管理責任者)の経験は、基本的には取締役等に就任していることが前提です。「準ずる地位」とは、取締役と同等の職務を果たしていたが、なんらかの理由で取締役には就任していなかった、というようなケースで経営経験を認めてもらう例外的な方法です。現行の経管要件(令和2年10月改正)の枠内にある制度です。
なぜ難しいのか:「自己申告」では認められない
役所の立場で考えると、理由がわかります。法人の場合、経管の経験は取締役への就任を前提条件としているのに、「同等の仕事をしていた」という自己申告だけで認めてしまえば、誰でも経管になれてしまうからです。
そのため、実際にこの要件で申請する場合は、会社の組織図や、決裁をしていた証拠書類など、取締役等と同等の地位で仕事をしていたことの証拠書類の提出が必要になります。「実質ナンバー2だった」という記憶や周囲の証言だけでは足りず、当時の書類で地位を裏づける必要があるのです。
それでも、可能性はゼロではない
厳しい話が続きましたが、受け付けられたケースはゼロではありません。当法人でも実績があります(もちろん、事案によります)。
難易度は高いものの、組織上の実態と証拠書類がそろったときに、スパッとハマるケースもあるのです。「原則の取締役経験では足りないが、準ずる地位なら筋が通る」という経歴の方は、検討の価値があります。
当法人からのアドバイス
準ずる地位の検討は、「いける・いけない」の見極めがすべてです。可能性の低い申請に時間とコストをかける前に、当時の組織図・稟議書・決裁記録など、何が残っているかの確認から始めましょう。仮に準ずる地位が難しくても、別の経歴や別の証明方法で道が開けることもあります。
準ずる地位はかなり難しい方法ですが、可能性はゼロではありません。まずは当時の組織図や決裁記録が残っているか確認してみましょう!
→ 経管の経験を証明できないときの対処法【証明資料の集め方】 → 建設業許可の要件 完全ガイド【5要件を実務目線で解説】
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

