「廃業届」という言葉の響きから、会社をたたむときの手続きだと思われがちです。しかし建設業の廃業届は、会社の廃業とイコールではありません。そして、全業種をやめる「全部廃業」より、実務でよく発生するのは一部廃業の方です。この記事で整理します。
この記事のポイント
- 廃業届は会社の廃業とイコールではない
- 500万円以上の工事を請け負わなくなった際の届出
- 全部廃業より一部廃業のほうが実務でよく発生
- 資格者の退社による一部廃業が特に多い
- 廃業後に再び必要になれば新規申請からやり直し
廃業届とは:正確には「軽微な工事だけになった」の届出
廃業届は、言葉のとおり建設業を廃業したときに提出するものです。ただし、軽微な工事のみは行ってもよいので、正確に言うと「500万円以上(建築一式工事は1,500万円)の工事を請け負わなくなった」ときの届出です。
つまり、会社は続くし小さな工事も続けるが、許可が必要な規模の工事はもう請けない——そんな場合に出すのが廃業届です。
一部廃業とは:一部の業種だけをやめる手続き
一部廃業は、持っている業種のうち一部の業種を廃業する手続きです。理由としては次のようなものがあります。
- 営業所技術者(旧・専任技術者)の退社により、その業種の要件を満たせなくなった
- 単にその業種が不要になった
そしてこの一部廃業、思ったよりも発生する手続きです。特に多いのが、資格者の退社による一部廃業。技術者の退職で後任が立てられない場合、その業種だけを手放して、残りの業種の許可を守るという使い方をします。
廃業届を「出さない」とどうなる?
実態として許可規模の工事をやめたのに届出をしないままだと、毎年の決算変更届や更新の義務だけが残り続けます。維持コストと義務を整理する意味でも、実態に合わせた届出が結局は合理的です。
逆に、「もう使わないと思って廃業したら、翌年大きな話が来た」という後悔もあり得ます。廃業後に再び必要になれば新規申請からやり直しです。やめるかどうかは、事業の見通しとセットで慎重に。M&Aや事業承継で許可を引き継ぐ選択肢もあります。
やめるかどうかは、事業の見通しとセットで慎重に
よくあるご質問
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

