初めての経審(経営事項審査)は、制度の難しさよりも先に、「過去の届出」と「日頃の書類」でつまずきます。当法人が実際にお手伝いしてきた中で、初回ならではのつまずきどころを正直にお伝えします。
この記事のポイント
- 最多のつまずきは、工事経歴書の書き方が経審用と違うこと
- 経審を受けるなら、過去分の工事経歴書の差し替えが必要になることが多い
- 契約書・請求書が証明に使える状態かどうかも事前確認のポイント
- 経審はゴールではなく入札参加資格申請への入り口。毎年受け続ける
- 受審前の打ち合わせに1〜2ヶ月以上。決算を待たずに相談を
つまずき①:工事経歴書の「書き方が2種類ある」問題
一番多いのがこれです。毎年の事業年度終了届に添付する工事経歴書は、経審を受ける場合と受けない場合で書き方が違います。
つまり、これまで「経審を受けない前提」の書き方で届出をしてきた会社が経審を受けようとすると、過去分の工事経歴書を差し替える必要が出てくることが多い——というより、ほとんどの場合そうなります。
「うちは毎年ちゃんと届出してきたから大丈夫」と思っていた会社ほど、ここで想定外の作業が発生します。初めての経審は、実は過去の届出の整え直しから始まるのです。
つまずき②:契約書・請求書が「証明に使える状態」になっていない
次に多いのが、書類の問題です。工事の契約書等をそもそも作成していない、請求書等も適当——という状態だと、経審に必要な書類が揃わない場合があります。
民間工事中心でやってきた会社では、「契約書なんて交わしたことがない」は珍しくありません。日頃の契約書類の整備は、経審だけでなく完成工事高の裏付けや将来の経験証明にも効いてくる、公共工事を目指す会社の土台づくりです。
つまずき③:スケジュールの誤解3連発
初めての方がよく誤解している点が3つあります。
「経審を受ければすぐ入札できる」→ 経審はスタートにすぎません
実際には、経審の結果通知を受けてから、各自治体への入札参加願い(入札参加資格申請)という次の手続きがあります。経審はゴールではなく、公共工事への入り口です。
「一度受ければいい」→ 毎年受けないと期限が切れます
入札を続ける場合、経審は毎年受け続ける必要があります。一度きりのイベントではなく、決算とセットの年中行事として組み込んでください。
「いつでもすぐ受けられる」→ 基本は決算日区切りです
間違いではないのですが、経審は基本的に決算日区切りで行います。たとえば決算日の2ヶ月前に経審を受けた場合、すぐに次の決算に基づく経審を受ける必要が出てきます。受けるタイミングは、決算日から逆算して設計するのが正解です。
特殊ケース:会社設立後すぐに経審を受けたい
「法人を設立して、すぐに公共工事に参入したい」というご相談もあります。この場合、法人設立→許可取得後、決算未到来の状態で経審を受けることになります。
ただし現実をお伝えすると、完成工事高が0円になるため、点数は低くなります。それでも「早く入札資格が欲しい」という事情があれば選択肢にはなりますが、点数の現実とセットで判断すべき道です。
当法人からのアドバイス
初めての経審は、過去の届出の確認・書類の棚卸し・スケジュール設計と、受審の前にやることが多く、事前の打ち合わせに1〜2ヶ月以上を見込んでいただいています。「次の決算で受けたい」と思ったら、決算を待たずにご相談ください。それが結果的に一番の近道です。
初めての経審は、受ける前の準備が主役です。「次の決算で受けたい」と思ったら、決算を待たずにご相談くださいね!
→ 経営事項審査(経審)とは|P点の仕組みを図解 → 公共工事を受注するまでの完全ロードマップ【経審・入札】
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

