建設業許可業者の義務というと決算変更届や更新が思い浮かびますが、もうひとつ、地味ながら法定の義務があります。帳簿の備付け・保存と、営業に関する図書の保存です。
「そんな帳簿、うちにあったかな」という方のために、この記事で基本を整理します。
この記事のポイント
- 許可業者は営業所ごとに帳簿の備付け・保存義務
- 帳簿の保存期間は5年、住宅新築関係は10年
- 営業に関する図書(完成図など)の保存は10年
- 契約書類を工事ごとにまとめ、捨てる前にスキャン
- 書類の蓄積は将来の経験証明の証拠資料にもなる
帳簿の備付け・保存義務とは
建設業許可業者は、営業所ごとに帳簿を備え付け、保存する義務があります。
- 記載事項:営業所の代表者名と就任日、発注者と締結した請負契約の内容(工事名・契約年月日・完成確認の年月日など)、下請契約に関する事項 等
- 添付書類:契約書面の写しなど。書類の添付に代えて、スキャナで読み取って記録し営業所で表示できるようにする方法も認められています
- 保存期間:5年間(発注者と直接契約した住宅を新築する建設工事に関するものは10年間)
会計帳簿とは別物の、建設業法上の帳簿です(参考:国土交通省中部地方整備局の解説資料)。請負契約ごとの記録を残していく、工事の履歴書のようなものだとイメージしてください。
営業に関する図書の保存義務とは
一定の工事について、営業に関する図書(完成図など)の保存義務があります。こちらの保存期間は10年間です。
主に元請として施工した工事に関わる義務で、建物の維持管理や瑕疵への対応の基礎資料として保存が求められるものです。
実務での現実的な整え方
正直なところ、この義務を完璧に整えている会社は多くありません。ただ、次の2点を押さえるだけで実務は大きく変わります。
- 契約関係の書類を工事ごとにまとめて保管する:注文書・請書・契約書を工事単位で綴じておけば、帳簿の材料はほぼ揃います
- 捨てる前にスキャンする:保存期間の判断に迷う書類も、データ化しておけば後悔がありません
そしてこの習慣には、副産物があります。工事ごとの契約書類の蓄積は、将来の業種追加や経管・技術者の経験証明の証拠資料にもなるのです。義務のためだけでなく、会社の資産として整えておく価値があります。
帳簿は工事の履歴書のようなもの。契約書類を工事ごとにまとめて、捨てる前にスキャンしておくと後から役立ちますよ!
よくあるご質問
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名古屋市中区のかなで行政書士法人は、建設業許可を専門とする行政書士法人です。代表は建設業界出身。愛知県の申請実務を熟知したチームが、御社の状況に合わせて最短ルートをご提案します。
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

