「申し訳ないけど、今度から許可を持っていない業者さんは現場に入れられなくなって…」——ある日、元請からこう告げられた。近年、このご相談が増えています。
先に結論をお伝えします。法律上は、許可がなくてもできる仕事はあります。しかし、元請がそう決めた以上、選べる道は「許可を取る」か「話し合う」かの2つです。そして、取れる見込みがあるなら、取ってしまうのが結局いちばん早い。この記事では、その理由と動き方を解説します。
この記事のポイント
- 法律上は1件500万円未満(税込)の軽微な工事なら許可なしでも請負可能
- 「許可がないと現場に入れない」は元請・発注者側のルールであることが多い
- 選べる道は「許可を取る」か「元請と話し合う」かの2つ
- 要件を満たせるなら速やかに取得するのが早道
- すべて順調でも着手から許可まで1ヶ月半〜2ヶ月半程度かかる
前提:許可がなくてもできる仕事はある
まず制度の確認からです。建設業許可がなくても、1件の請負代金が500万円未満(税込)の軽微な工事(建築一式工事は1,500万円未満、または延べ面積150㎡未満の木造住宅)であれば、請け負うことができます。
- 軽微な工事の請負は、許可がなくても違法ではありません
- 下請として現場に入り、作業をすること自体が建設業法で禁止されているわけでもありません
つまり、「許可がないと現場に入れない」は、法律の要求ではなく、元請や発注者側のルールであることがほとんどです。
それでも許可を求められるのが、いまの現場
近年はコンプライアンス強化の流れで、工事の請負だけでなく、現場への入場の条件として建設業許可を求める元請や発注者が出てきています。
私たちから見ても「そこまで求めるのか」と感じるケースはあります。ただ、元請には元請の管理上の事情があり、下請の立場でルールそのものを変えるのは現実的ではありません。「うちは軽微な工事しかやっていないから関係ないはず」という正論は、残念ながら現場では通用しにくいのです。
選択肢は2つ:「取る」か「話し合う」か
① 要件を満たせるなら、取ってしまうのが早い
その元請との付き合いを続けたいのであれば、許可を取得できる状況なら速やかに取得するのが、間違いなく早道です。確認すべきはこの3点です。
- 建設業の経営経験のある役員・事業主(経管)がいるか
- 資格または実務経験のある技術者がいるか
- 財産要件(500万円)を満たせるか
なお、すべて順調に進んでも、着手から許可まで1ヶ月半〜2ヶ月半程度はかかります。元請から期限を切られているなら、早く動くに越したことはありません。
→ 建設業許可は最短でどれくらいで取れる?【愛知県の実際の日数】
② どうしても取れない場合は、話し合いで継続を探る
要件がどうしても満たせない場合は、元請と話し合い、取引を続けてもらえないか相談するしかありません。元請側の「そうしたい」という方針の問題である以上、事情を説明して猶予をもらえるかどうかは、日頃の関係性と交渉次第です。
ただし、話し合いでしのげたとしても、業界全体でこの流れが弱まることは考えにくいのが正直なところです。「いずれ取る」つもりなら、要件を満たせるうちに動いておくことをおすすめします。
当法人からのアドバイス
このご相談で一番もったいないのは、「うちは要件を満たせないだろう」と自己判断で諦めてしまうことです。経験の証明には工夫の余地があり、お話を伺ってみると取得の道筋が見えるケースは珍しくありません。まずは「取れるかどうか」の見極めから始めましょう。
「うちは要件を満たせないだろう」と自己判断で諦めるのはもったいないですよ。経験の証明には工夫の余地があるので、まずは取れるかどうかの見極めから始めましょう!
→ 元請から「建設業許可を取れ」と言われたら|最短で取るための段取り → 状況別・建設業許可の取り方【あなたのケースはどれ?】
よくあるご質問
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名古屋市中区のかなで行政書士法人は、建設業許可を専門とする行政書士法人です。代表は建設業界出身。愛知県の申請実務を熟知したチームが、御社の状況に合わせて最短ルートをご提案します。
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

