解体工事には、他の業種にはない特殊なルールがあります。500万円未満の軽微な工事であっても、「解体工事業登録」を受けていなければ請け負えないのです。「500万円未満なら何もいらない」という他業種の常識が通用しません。
結論を先にお伝えします。建設業許可(解体工事業)を取れるなら、許可がおすすめです。登録は「許可を取得できない場合」の選択肢と考えてください。この記事で、制度の整理と使い分けを解説します。
この記事のポイント
- 解体は500万円未満の軽微な工事でも解体工事業登録が必要
- 許可を取れるなら許可がおすすめ、登録は取得できない場合の選択肢
- スケルトン工事(原状回復)は建設業法上の解体工事ではない
- 登録は都道府県ごと、許可なら金額制限なく全国で施工可能
- 平成28年に新設された業種で、以前はとび土工で行う扱いだった
解体工事業とは:平成28年にできた「新しい」業種
解体工事業は、平成28年に追加された業種です。それまで建物の解体は、とび土工工事業で行う扱いでした。歴史が浅いぶん、「とび土工でできると思っていた」という誤解が今も残っています。現在、建物自体を解体する工事は、解体工事業です。
よくある誤解:スケルトン工事は「解体」ではない
テナント物件の解約にともなう原状回復工事、いわゆるスケルトン工事は、現場では「解体」と呼ばれることがあります。しかし、これは建設業法上の解体工事にはあたりません。
解体工事業に該当するのは、本当に建物自体を解体するケースです。内装を撤去してスケルトン状態に戻す工事は、内容に応じて別の業種で判断します。「解体をやっている」という言葉だけで業種を決めると、ここでズレが生じます。
許可と登録の使い分け
| 建設業許可(解体) | 解体工事業登録 | |
|---|---|---|
| 請け負える金額 | 制限なし | 軽微な工事(500万円未満・税込)のみ |
| 施工できるエリア | 全国 | 登録した都道府県ごと |
| 位置づけ | 取れるならこちらを推奨 | 許可を取得できない場合の選択肢 |
登録は都道府県ごとに必要なため、複数県で解体を行う会社では登録の管理だけでも負担になります。将来的に500万円以上の案件や広域の仕事を考えるなら、はじめから建設業許可を目指す価値があります。
営業所技術者になれる資格・実務経験
解体工事業で営業所技術者(旧・専任技術者)になれる主なルートです。
- 資格ルート:1級・2級土木施工管理技士、1級・2級建築施工管理技士、解体工事施工技士など(資格により解体工事の実務経験や講習が求められる場合があります)
- 実務経験ルート:解体工事について10年以上の実務経験(平成28年より前のとび土工時代の経験の扱いは個別に確認が必要です)
当法人からのアドバイス
解体業界は、空き家対策や建替え需要で仕事が途切れない一方、制度面は「登録がないと軽微な工事も請けられない」という厳しさがあります。いま登録で営業している会社も、体制が整ったタイミングで建設業許可への切り替えを検討する価値があります。資格者と経験の状況をお聞かせいただければ、切り替えの道筋をご提案します。
いま登録で営業している会社さんも、体制が整ったタイミングで建設業許可への切り替えを検討する価値がありますよ。資格者と経験の状況をお聞かせくださいね。
よくあるご質問
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名古屋市中区のかなで行政書士法人は、建設業許可を専門とする行政書士法人です。代表は建設業界出身。愛知県の申請実務を熟知したチームが、御社の状況に合わせて最短ルートをご提案します。
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執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

