建設業許可の要件の中で、唯一「事前に役所へ確認できない」ものがあります。それが欠格要件です。
先に、この記事で一番大事なことをお伝えします。欠格事由に該当するかどうかは、申請前から受付までの間、誰も行政に照会して確かめることができません。 そして、受付後の内部審査で該当が発覚すると申請は取り下げになり、受付時に支払った手数料(新規9万円など)は返金されません。だからこそ、申請前の自己チェックがすべてなのです。
この記事のポイント
- 欠格事由は申請前に行政へ照会して確かめることができない
- 審査で発覚すると取り下げになり手数料9万円は返金されない
- 多くの欠格事由は一定年数の経過で解消される
- 破産は復権を得ていれば直ちに欠格事由に該当しなくなる
- 隠して申請せず、時期を待つ・役員構成の見直しなど正面から設計する
欠格要件チェックリスト
役員等の中に、次の事由に該当する方がいないかを確認します(愛知県の手引きに基づく要旨です)。
- 破産:破産手続開始の決定を受けて、復権を得ていない
- 許可の取消歴:不正等を理由に建設業許可を取り消されてから5年を経過していない(処分を逃れるための廃業届から5年未経過の場合を含む)
- 処分の期間中:営業停止・営業禁止を命ぜられ、その期間が経過していない
- 禁錮以上の刑:刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない
- 一定の罰金刑:建設業法や一定の法令(刑法の傷害・暴行・脅迫・背任、労働基準法、職業安定法など)の違反による罰金刑から5年を経過していない
- 暴力団関係:暴力団員である、または暴力団員でなくなった日から5年を経過していない。暴力団員等が事業活動を支配する場合も同様
- 心身の状況:精神の機能の障害により、建設業を適正に営むために必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない
- 未成年者の法定代理人:営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者で、法定代理人が上記に該当する
法人の場合は役員等または一定の使用人に、個人の場合は一定の使用人に該当者がいると、会社・事業主として欠格になります。また、申請書類の虚偽記載・重要な事実の記載欠落も許可を受けられない事由です。なお、更新申請では対象となる事由の範囲が一部異なります。
チェックの前提として、押さえておきたい考え方が2つあります。
- 多くの欠格事由は、一定年数の経過で解消されます。「一度該当したら一生取れない」わけではありません
- 破産は例外的に扱いが軽い:復権(免責)を得ていれば、その時点で直ちに欠格事由に該当しなくなります。前科のような「5年」等の経過期間は不要です
→ 役員に前科・破産歴があるときの建設業許可申請|諦める前に確認を
「あとからバレます」——隠して申請してはいけない理由
該当の可能性に気づきながら申請してしまうと、どうなるか。
内部審査で発覚すれば取り下げ、9万円は戻りません。そして、あとからバレます。仮に気付かれずに許可を取得できたとしても、そもそも違反です。取消のリスクを抱えたまま事業を続けることになり、失うものは手数料どころではなくなります。
該当するかもしれない事情がある場合の正解は、隠すことではなく、解消される時期を待つ・役員構成を見直すなど、正面から通る道筋を設計することです。
隠すことではなく、解消される時期を待つ・役員構成を見直すなど、正面から通る道筋を設計すること
当法人からのアドバイス
欠格要件の判断は、刑の種類・経過年数・処分の内容など、意外と細かい確認が必要です。「たぶん大丈夫」でも「たぶんダメ」でも、自己判断のまま進めるのは危険です。事情は秘密厳守でお聞きしますので、気になることがある方は申請前に必ずご相談ください。
→ 愛知県の建設業許可申請|窓口・提出方法・審査期間を実務目線で解説 → 建設業許可の要件 完全ガイド【5要件を実務目線で解説】
よくあるご質問
この記事に関するご相談は、かなで行政書士法人へ
名古屋市中区のかなで行政書士法人は、建設業許可を専門とする行政書士法人です。代表は建設業界出身。愛知県の申請実務を熟知したチームが、御社の状況に合わせて最短ルートをご提案します。
初回相談無料|TEL 052-212-8770(平日9:00~18:00)
執筆・監修:かなで行政書士法人 代表 落合健太郎(行政書士)

