建設業許可を取得している会社で、他の業種を追加するという事があると思います。
例えば、とび土工で許可を取っているが、鉄筋も追加したい、という場合や、
建築一式で取っているが、内装仕上げも取りたい、というような場合です。
このような場合、経管(経営業務の管理責任者)は、7年という枠組みに入れてしまえば、
問題になることが少ないのですが、専任技術者の方で困ってしまう場合が多々あります。
業種追加しようとする業種に対して有効な国家資格等を持っている従業員さんがいる場合が
一番楽です。
この場合は、資格証の原本を提示して、常勤性を証明すればOKです。
ただ、ほとんどの方は資格を持っていません。
そのような場合は、「実務経験10年」や「学歴+実務経験」で進めるのですが、この場合は、
それまでに提出してきた事業年度終了届けの工事経歴が影響してくるのです。
まず、今回取りたい業種についての工事経歴を出していない場合は、その間は、もし実際に
工事を受けていても、実務経験の証明をすることはできないです。
このような時のために、細かい工事でも、「その他工事」をあげておくことが大切です。
また、専任技術者となる人がそれぞれ違う業種で、実務経験で専任技術者になろうとすると、
倍付けのそれぞれ20年の実務経験証明が必要になります。
こうなってくるとすごく難しくなってきます。
そして、工事経歴であげていない業種を追加しようとする場合は、さらに大変です。
例えば、「とび土工」の許可を持っておられるお客様で、「鉄筋」を取りたいというような場合、
仕事の中では鉄筋を組んでいるから、大丈夫だろう?と言われることがあります。
確かに、外構工事などで、とび土工の工事の中に鉄筋取付が含まれる場合があると思います。
このような場合は、「附帯工事」という扱いになります。
附帯工事として実務経験を見て欲しい場合は、該当する工事の請求書の控えなどを補足資料
として添付します。
例えば、とび土工工事の請求書の中に、「鉄筋D-10 取付○トン」などと書いてあるような明細書です。
附帯工事として認められれば、実務経験としてカウントしてもらえるのですが、附帯工事は、通常の
工事の2分の1で計算するので注意が必要です。
上記のような内容の場合、付帯工事として20年分の実務経験をあげるか、付帯工事10年+通常の工事5年
というような期間の計算をしなければなりません。
将来的に業種追加をする可能性があるお客様では、数年後を見越して許可の保持をしていく必要があります。
また、自社では取るつもりがなくても、元請けや発注者のコンプライアンス変更などで、急に業種追加をしてくれと
言われたというお客様も少なく有りませんので、急な業種追加に備えることができる体制を常に整えておくことが
必要なのではないかと思います。